あなたは「藤岡佑介」騎手をご存知ですか?
ライトな競馬ファンでも、ご存知の騎手でしょう。
1986年生まれで滋賀県は栗東市出身の藤岡佑介騎手。
2004年に騎手デビューし、35勝を挙げ、JRA賞最多勝利新人騎手を獲得。
2018年にケイアイノーテック号で、初GⅠ勝利を獲得しました。
そんな藤岡佑介騎手は、騎手界きっての「人たらし」。
周り騎手から、愛される存在なんだそう。
netkeiba.comで連載されていた「with佑」が、書籍化されています。
タイトルは「JOCKEY×JOCKEY」。
藤岡佑介騎手が、インタビュアーとなって、騎手と対談されています。
「JOCKEY×JOCKEY」では、他のインタビュー記事では見られない、騎手それぞれの人間性が垣間見えます。
読んだらきっと、もっと競馬が楽しくなる、そんな一冊「JOCKEY×JOCKEY」。
この記事では「JOCKEY×JOCKEY」の一部を引用しつつ、魅力をご紹介します。
天才「武豊」にあった、しんどい時期
競馬界のスーパースター「武豊」騎手。
デビューから破格的なスゴさを発揮し、当時の新人勝利記録を樹立。
19歳で初GⅠ制覇、20歳で全国リーディング…。
日本、いや、世界が認める天才騎手です。
藤岡佑介騎手から見ても、天才だそうで、スランプやツライ時期がないように見えたそう。
しかし、武さんは、この「JOCKEY×JOCKEY」の中で
しんどい時期はありました。2011年、2012年あたりかな。
「JOCKEY×JOCKEY」16ページから引用
と、話しています。
2010年に落馬による大けがをした後の事だそう。
”手応えはあるのに伸びない”みたいな不思議な感覚だった。
「JOCKEY×JOCKEY」17ページから引用
と、騎手ならではの感覚の話をされています。
普通のインタビューだったら、ここで終わっている、というか、発展がイマイチ。
しかし、今回は騎手同士の対談。
ここから少し、騎手独特の「感覚」の話になっているのが、とても面白かったです。
いくら僕(武豊)でも結果が出なければ有力馬への騎乗は減っていくし、人は離れていく。
「JOCKEY×JOCKEY」17ページから引用
と、武さんは語っています。
あの武さんでも、人が離れていく事があるのか…。
厳しい世界の話を、知る事が出来たのは、とても勉強になりました。
それでも競馬が大好きな「武豊」
ツライ事があろうとも、競馬を嫌いになった事がない、と語る武豊さん。
「JOCKEY×JOCKEY」の中では、騎手同士でしか話せないような、騎乗技術の話や、メンタルの話などが、詰まっています。
武さんが一体どんなトレーニングをしているのか。
そして、後輩たちに「伝えたいこと」とは…。
藤岡佑介騎手の、人柄と人望があってこその対談内容で、目からウロコが落ちっぱなしでした。
読めば、もっと競馬が楽しくなる
ぜひご一読下さい。
ユーモアたっぷり、武さんのお話もありますよ!
実はアツい漢!同期、川田将雅騎手
「川田将雅」騎手というと、どんなイメージをお持ちでしょうか?
笑わない
あまりしゃべらない
なんか冷めてる
いえいえ!
実はアツい漢という事が「JOCKEY×JOCKEY」を読めば分かります。
藤岡佑介騎手と川田将雅騎手は、競馬学校の同期。
「JOCKEY×JOCKEY」では、2人の旧知の仲だからこそ、深くて人間性が見える、貴重な対談が読めます。
激動の1年半。ハープスターと過ごした日々
いつも冷静で、時に冷徹に見える川田騎手。
GⅠでもいつも落ち着いていて、緊張しないタイプだとか。
しかし、そんな川田騎手でも、ド緊張した事が。
それが、ハープスターの凱旋門賞。
”プレッシャーに押しつぶされそう”ってこういうことなんやと思ったくらい。
「JOCKEY×JOCKEY」28ページから引用
と、川田騎手はこの「JOCKEY×JOCKEY」の対談で話しています。
普通のインタビューならここでおしまい。
深く突っ込んだり、意見がなかったりします。
が、ここは同期の藤岡佑介騎手。
凱旋門賞で、1番人気の馬に乗って負けた事について
日本人ジョッキーが日本の馬でヨーロッパの大きなレースを勝つということについて、少し扉が閉じてしまったように思う。
「JOCKEY×JOCKEY」30ページから引用
こんな一言は、同期だからこそ、藤岡佑介騎手だからこそ、言える事ではないでしょうか。
普通のインタビュアーなら、こんなに切り込めないでしょう。
「JOCKEY×JOCKEY」だからこそ、藤岡佑介騎手だからこその「扉閉まった」発言。
「扉を閉めた」と言った直後、こんな事も
俺は扉を開けるのは将雅なんじゃないかと思っているから。
「JOCKEY×JOCKEY」30ページ引用
「JOCKEY×JOCKEY」でしか読めない、とても貴重で深い対談。
「JOCKEY×JOCKEY」ぜひお読みください。
意外と泣き虫!?アツい漢、川田将雅騎手
冒頭イメージしていただいた、川田騎手のイメージ。
冷徹でクールなイメージ。
「JOCKEY×JOCKEY」を読み進めていくと、藤岡佑介騎手のこんな一言が。
将雅も熱いところがあるから、意外と”泣き虫ジョッキー”かもしれないな。
「JOCKEY×JOCKEY」40ページ引用
なんと「JOCKEY×JOCKEY」では、川田騎手が泣いたエピソードが書かれています。
それは、川田騎手が1カ月、フランスへ短期遠征に行っていたときの事。
1か月の間、結果を出せず、あまりに悔しくて人前で泣いたとか。
いつもクールすぎるほどの川田騎手が、悔しくて泣くなんて、なんだか考えられませんよね。
泣いたエピソードは、まだあります。
それは、師匠・松田博資元調教師のラストランでの事。
最後のレースで、川田騎手が松田調教師に息子さんを通して
「パドックでの足上げをして欲しい」
と、お願いしたそう。
実際に足上げをしてもらったそうだが、その時に
それはもう感極まった。お客さんに涙を見られたくなくて、急いでゴーグルをしたよ。
「JOCKEY×JOCKEY」41ページ引用
と話しています。
フランスでの悔し涙…師匠のラストランでの涙…。
普段のインタビュー等からは、想像がつかない川田騎手の「アツさ」が伝わってきます。
同期の藤岡佑介騎手との対談は、読んでいて、とても興味深く面白かったです。
騎手同士「だからこそ」の話が満載「JOCKEY×JOCKEY」
武豊騎手、川田将雅騎との対談を一部ご紹介しました。
「JOCKEY×JOCKEY」では、他にも
- C.ルメール騎手
- 四位洋文元騎手(現調教師)
- 浜中俊騎手
- 福永祐一騎手
- 三浦皇成騎手
- 横山典弘騎手
- 松山弘平騎手
- 和田竜二騎手
- 池添謙一騎手
11人もの騎手たちとの対談が書かれてます。
いずれも、騎手同士「JOCKEY×JOCKEY」だからこその深くて興味深い対談です。
競馬ファンなら、ぜひ一度読むべき「JOCKEY×JOCKEY」。
読んで損なし、競馬がもっと好きになる事、間違いなし。
藤岡佑介騎手の「人たらし」と「情熱」だからこそ、こんなにも多くの騎手、そして、内容の深い対談になっています。
「JOCKEY×JOCKEY」を読んで、競馬をもっと楽しみましょう!